1. ペーパープロダクト



期間限定で京都精華大学デザイン科で「ビジュアルプロダクト」という授業に参加・担当します.
ビジュアルプロダクトというと僕にはピンとこないので「ペーパープロダクト」だとわかりやすいです. この授業は「紙を使って何かモノを作る」というトライアルです.

まずは去年分からの紹介. いきなり何か作れといわれても困ると思うので、きっかけとして機能など使い方から考えてもよいし見た目やカタチから入ってもよい、ということで既存のパッケージを参考にしてみます. 何を参考にするかというと展開図で、そこから新しく作図しパッケージを作ってみます.
学生それぞれ自分でテーマを決め作業を、ここでは自分の作業を紹介しています.


こどものころから美味しいお菓子、銀座ウエストさんより拝借掲載



僕は、お菓子の身箱を参考にしました. このお菓子の箱からの主な変更点は、フチの厚みを変え底板を無くすことをしています.



すると額縁のようなフレームができ、それを入れ子構造にさらに作図して、3点の入れ子フレームを作りました.



そのフレームには、コトバを飾ります. 飾れる一筆箋のようなフレーム「a sentence frame, ひとことを飾るフレーム」
一筆をしたためる筆致のイメージに近いかなと、そんな柄も入れてみました.

a sentence frame, ひとことを飾るフレーム / 使用紙: マシュマロCoC



2019年のこのクラスでは、みんなで平和紙業さんの大阪ショールームに展示をしておしまい、という流れでしたがコロナ禍のため中止になりました. みんなの作品は、今年分と一緒にこちらの最後で紹介したいと思います. 以上が、学生に混じって僕が作ったものです.



ーさて2020年は、

「眺めたり飾ったり」という機能に限定して、端的に用途がないモノを作ります.「平面の紙を、美しくもしくは面白く立ち上げる」というトライアルをしたいと思います. 紙は平面ですが、それを立体にする試みです.

あらためて立体について漠然と考えてみました. その立体の最たる造形は、建築物と思います. 衣食住の1つ、人間にとって生命活動で大切な一機能です、そういう機能を排除すると彫刻というジャンルに変わると思います.

思えば「紙」は、その建築だったり彫刻だったりそのイメージから一番遠いところにあってゼロに近い弱いモノ、そんなイメージの「紙」をぼんやり意識して建築だったり彫刻の例を見てみました.

建築 フランク・ゲーリー

ウォルト・ディズニー・コンサートホール 

google画像検索より掲載



下図は、その模型です. 実際アイデアの素は紙とのこと. 紙ならではの曲線を活かした造形です. 机の上のぐちゃぐちゃとあった紙が、そのまま大きな建築になったような価値観を変えてくれる面白さです.



ル・ルボ脳研究所 

google画像検索より掲載



下図は、その模型です. もはや紙じゃないと表せない表情です. 紙の弱さを存分に活かしているように見えます.

google画像検索より掲載





次に彫刻を見てみました. この彫刻は、軽やかで伸びやか、でも雨や風に争うよう凛としています.

彫刻 コンスタンティン・ブランクーシ

google画像検索より掲載



実際は紙ではなく石や木、ただその塊です. 軽やかに伸びやかで美しい、まるで「紙」のようだと形容できます.

美しいや面白いからずっと見ていられる、その目線は人の好き嫌いの尺度なので、メタ的な目線で考えてみます. これらは何をやってるかと俯瞰して考えてみます.
すると「重力に逆らうモノ、どう重力に逆らうかを考えて作った」というようにも見えます.